湿疹は早く治す、保湿を心がける

湿疹はそれ自体が痒い、見た目がよろしくないなどの問題がありますが、それ以上に子供の湿疹はアレルギーマーチの原因になるという大いなる問題の原因になります。
アレルギーマーチとは、アトピー性皮膚炎を端緒に気管支喘息やアレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎が発症してくる病態を表した言葉です。そこでアトピー性皮膚炎をしっかりと治そうということになるわけですが、アトピー性皮膚炎ではない、ただの湿疹もその原因になり得ると考えられます。これは口から体内に入れた食物はアレルギー感作を起こしにくいが、皮膚から入った場合はアレルギー感作を起こしやすいという、二重抗原曝露仮説に基づくものです。湿疹があると、皮膚のバリア機能は低下してしまい、食物がそこから体内へ入ってしまいその食物のアレルギー感作が成立してしまう可能性があります。さらに、湿疹を放置することで掻いてしまい、傷ができたりして湿疹はさらに悪化をしてしまいます。ですので、湿疹は速やかに治してあげることが重要なのです。

治療の基本はステロイドの塗布です。きちんと使用すればステロイドは決して怖い薬剤ではありません。
また、保湿してあげて悪いことはまずありません。保湿しておけば、皮膚のバリア機能を保持することができ、湿疹などもできにくくなります。乾燥している、と気づいたら適宜保湿剤を塗ってあげるようにしましょう。

ワセリンやヘパリン類似物質の塗布が基本です。特に冬は乾燥しやすいので、こまめに保湿してあげましょう。
早めに色々なものを食べさせる

先ほどの湿疹の話とも関連があるお話です。以前は、なるべく卵などアレルギーを起こしうる食物の摂取開始は遅い方が良いとされていましたが、近年ではなるべく早めに食べさせ始めた方がアレルギーを予防できるという考え方が主流になってきました。科学的な検証から得られた知見なので、私もこの考え方を支持し、早期からアレルギーを起こしやすいとされる食べ物を、なるべく早い時期に、少量ずつ食べさせることを推奨します。

ハチミツは1歳からしか摂取できないなどの制限があります。各食べ物についてはきちんと確認してから食べさせるようにしましょう。
具体的には、卵や蕎麦、ナッツ類、甲殻類です。はじめて食べさせるときは体調が良いとき、そして何かあったときにすぐに医療機関を受診できるように平日の午前中が良いでしょう。
まだ咀嚼などが十分にできないことや誤嚥や窒息の危険性を十分に考慮して加工・調理して食べさせるようにしましょう。特にナッツ類は決してそのまま与えるのではなく、刻んで窒息しないように注意する必要があります。

成分さえ入っていれば、そのものを食べさせなくても良いと思います。我が家でも窒息だけは、と用心しています。
動画では言葉は学べないから、たくさん直接語りかける

テレビや動画を見せておけば、とりあえず子どもは大人しくなり、その間ちょっと一息ついたり、他の家事をしたりすることが出来るでしょう。しかし、それで安心してはいけません。子どもは画面からではなく、生きた人間から言葉を学びます。一説によると、幼少期にどれだけ言葉を聞いたかで語彙力やIQが決まるそうです。したがって、子どもにはたくさん話しかけましょう。
レスポンスが大人と異なるので違和感があるかもしれませんが、いずれ慣れます。話すのはどんなことでもよいそうです。子どもや自分の実況中継でもよいし、新聞や本の音読でもよい。とにかくたくさんの言葉を浴びせてあげることが重要です。

動画を見せるのは楽で、ついつい見せてしまいますが、子供の将来のためにここは頑張りどころですね。
絵本はもちろん、図鑑が役立つ

読書がいいことというのは周知の事実だと思いますし、各家庭ともに絵本を買い揃え、毎日読み聞かせをしていることでしょう。絵本に加えて、図鑑を読んであげることが非常に有意義だと思います。図鑑には写真や図のみならず、説明書きが付されています。語りかけが重要であることは上記で述べましたが、図鑑はこの説明書きによって絵本以上にこの語りかけが容易になります。子どもが好きそうな、乗り物や動物などの図鑑から始めてみるとよいでしょう。さまざまな図鑑を見せれば、子どもが興味を持てる分野を発見できるかもしれません。

早すぎる、ということはないと思います。幅広いジャンルの図鑑を見せてあげましょう。電車などが子どもは大好きです。大人も楽しめます。
なお、絵本や図鑑は何も必ずしも購入しなくてはならないわけではありません。図書館で借りれば、無料でたくさんの本を読むことができます。大人になって図書館から足が遠のいていた方も多いと思いますが、節約のためにも積極的に図書館を利用しましょう。
子どもなので、本のページを折り曲げたり、しわくちゃにしたり、果ては破ったりしてしまうこともあるでしょう。そのため、絵本や図鑑は厚いページのものを選ぶとよいです。

うちの子もたくさん破ってしまいました・・・。しかし、加減とかまだわかりませんよね。最初から破れないものを選んであげるのが大事です。
運動神経の発達のために、そして目のために外で遊ぶ

思い切り体を動かして遊ぶことは、心身の発育に欠かせないことだと考えています。健康面はもちろん、運動神経の発達やストレスの解消にも有効です。室内でできる運動にはやはり限界がありますし、何より外で体を動かすことは気持ちよくありませんか?歩けるように、あるいは走れるようになったら、公園などで思い切り遊ばせてあげましょう。外の明るい環境にいることで、視力の低下の予防などにも役立ちますし、骨の成長も促せます。

室内の明るさは限界があり、太陽光とは比べるべくもありません。
ただし、昨今の夏の太陽は危険です。外で遊ばせる時は、水分を十分に摂らせるなど、熱中症に注意をしましょう。40℃の気温の中遊ぶことは非常に危険です。夏の昼間は外で遊べない時代だと、個人的には考えています。朝早く、あるいは夕方にしましょう。1歳前後の生活習慣を考えると、夕方の方が遊ばせやすいです。

昔と違って、真夏に外で遊ぶことはできなくなりました。どうやって外で遊ぶ時間を確保するかが今後の課題ですね。
また、紫外線は将来のシミ・シワにつながります。対策に、日焼け止めを塗る、帽子をかぶるなどが有効です。

紫外線のダメージは蓄積されます。したがって、乳幼児の早期から対策することが勧められます。
※このサイトで述べることはあくまで個人的な考えに基づくもので、絶対にこうすべきであると結論づけるものではありません。そもそも子育ては子それぞれ、人それぞれですので全ての例に適するということはありえません。そのため、このサイトを参考にして生じ得た不利益・損害については一切の責任を負いません。
地方都市で働く、30代男性皮膚科医です。今、子どもは1歳半ですが、その過程で多くの失敗と成功を繰り返してきました。その経験をもとに、子育てで役立つ情報をまとめました。あまり大げさなことではなく、小わざと言えるたぐいのものです。参考にしてもらえれば幸いです。
コメント
これから子供が大きくなっていくにあたって、非常に勉強になりました。ありがとうございます!このサイトを参考に、子育てをがんばります!